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砂場遊びや泥んこ遊びで育つもの |
子どもの自ら環境とかかわろうとする力 |
子どもの問いに応答する |
山を作りトンネルを掘ります。子どもたちは山を |
幼稚園入園当初は、期待と不安で一杯の子どもたち。 |
子どもたちは、クラスで育てている野菜や |
崩さずにトンネルを掘るにはどうしたらよいのか |
5月を過ぎる頃には幼稚園の生活に慣れ、おともだちと |
花々に水をやります。暑い日が続いたとき |
考えます。水を汲んできて砂山に少しかけて |
遊ぶ楽しさが味わえるようになってきます。7月の保護 |
「きょうはお花が元気がないね。」 と |
固め、またその砂山の上に白砂をかけて山を |
者参観日を迎える頃には社会性も増し、子どもたちは |
子どもが言います。先生は、「どうしてな |
さらに強固なものにしようとしたり、トンネルの |
個々の発達段階に応じて、実に多くのことを遊びを通 |
のかしらね?」と応答しています。 |
壁をプラスチックのおもちゃで支えようとします。 |
して学び、身につけます。子どもたちにとっては、時に |
子どもたちは「どうしてなのだろう。」と考 |
試行錯誤の上、自分たちのトンネルを完成させ |
は遊びがうまくいかない時もありますし、どうやって |
えます。子どもの年齢や状況にもよります |
るのです。 |
自分を表現してよいのか分からない時もありますが |
が、とても大切なことだと考えます。 |
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やがて子どもたちは、能動的に活動し始めます。 |
子どもが発することばに耳を傾けて聞こう |
ともだちから砂を掘る道具を借りるにはどうした |
自ら取り組むことの面白さを知った子どもたちの表情 |
とすれば、その気持ちは子どもに伝わり |
らよいか、水を運ぶバケツをどこに取りにいけば |
は生き生きとしています。考え方が前向きなのです。 |
ます。 |
手に入るのか、また誰がそれを取りに行くのか |
体験していないことでも、やってみればできるかもし |
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考えて遊んでいます。 |
れない、できるだろうという、自分自身に対する信頼が |
思ったこと、考えたことをごく自然に言え
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自分の内部で育ってきているのです。自分の足で歩 |
るような環境があれば、子どもたちは話す |
子どもの生きる力を育てる多くの要素が砂場と |
き出す、子どものその一歩を見た時の喜びをどのよ |
ことを楽しみ自分の思いを表現するように |
いう遊び場には用意されているんですね。 |
うに表現してよいか分かりません。夢中で遊びこんで |
なるのではないでしょうか。そして、自分 |
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エネルギーと素直さ、それ以上のものがあるでしょうか。 |
で考えることが面白くなると思います。 |
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プランターに植えた花や野菜の水やり |
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さらに、子どもたちは、ともだちや家族とのかかわり合 |
ひとつでも、子どもとの会話は発展して |
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いを通して人間関係を学んでいきます。自分の存在を |
いきます。 |
4歳児 |
認められ、確かな愛情に支えられた子どもは、いつし |
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か自分の足で前に向かって歩き出します。 |
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そのためには、安心して自分を表現できる環境が |
必要です。就学前の幼児本来の生活が遊びである |
ことを、私たち大人は、もう一度しっかり認識しなくて |
はならない時代を迎えているように思います。 |
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子どもたちは、いつかは広い世の中に出ていかね |
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ばなりません。遊びを通して、人や環境とどのよう |
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にかかわっていくかを学んでほしいと願っています。 |
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